ペットの基礎知識 特別篇
【嗜好性について 2】

犬と猫の感覚  

犬と猫は、「嗅覚」「触覚:食感」「味覚」で食事を選びますが、その感覚は変化しやすく、一定ではありません。

また、その感覚は犬と猫では違うし、ヒトの感覚とも異なります。


『嗅覚』

においは、鼻腔の奥の鼻粘膜に存在する嗅細胞を、空気中の成分が刺激すると感じます。

これは犬でも猫でも、ヒトでも同じです。

嗅覚に影響する要因
品種 大型犬>小型犬など
性別 メス >オス
年齢 若い >高齢
環境 強い乾燥や風雨などは嗅覚を低下させる
薬剤 ほとんどの薬剤は嗅覚を低下させる


嗅覚の感度は、鼻粘膜の表面積や嗅細胞の数などによって異なります。

嗅細胞の数は、犬ではジャーマンシェパードで2億個、コッカースパニエルで6700万個、というように犬種によって様々で、猫では6500万個といわれています。

このように犬と猫の嗅細胞の数は、ヒトの500〜1000万個と比べて著しく多く、食事を選択する際の重要な感覚となっています。


『触覚:食感』

食事の、サイズが大きすぎたり小さすぎる場合や、食べにくい形をしていると、気持ちよく食べることができません。

また、食感も嗜好性に影響を与えます。

子犬や子猫、高齢期の犬や猫は、少し柔らかめの食感を心地よいと感じる傾向があるようです。


『味覚』

味は、人間でも犬や猫でも、舌の上にある味蕾細胞と呼ばれる細胞で感じていますが、その働きには大きな違いがあります。

味蕾細胞の数は、犬では約1700個、猫では約500個で、ヒトの約6000個と比べてかなり少なくなっています。

味覚は、犬や猫にとって、嗜好性の判定要素としては嗅覚ほど影響しないようです。

 犬と猫でも、味覚の種類は、塩味、甘味、うま味、酸味、苦みの5つあります。
しかし、感じ方はそれぞれ異なります。


敏感さを印で現してみました。が多いほど感度が高くなります。

塩味: 犬   猫 
動物の体には塩分が豊富に含まれています。

つまり、動物の肉を主食とする野生の肉食動物の食事には、本来は塩分が豊富に含まれていることになります。

完全肉食動物である猫は、塩分が豊富に含まれている食事を摂ってきた歴史から、食事中に塩分が少ないことに気づきにくい特徴があります。

甘味: 犬     猫 −

猫は甘味を感じることはできません。

犬も甘味に対する好みを、生まれらがら持っているわけではありません。

飼い主が甘いものを与えることで、甘味に対する好みが形成されていきます。


旨味: 犬     猫 

旨味は他の味を増幅させ、食後のあと味になります。

犬や猫は旨味を感じることができます。


酸味: 犬     猫 

犬も猫も、酸味を好みません。

特に猫は、強い酸味を嫌います。


苦み: 犬     猫 
犬も猫も苦みは苦手ですが、猫は特に敏感に感じます。
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