第4回
Q. 8歳のオス猫ゆき。数年前にスタッドテイルと診断され、しっぽの毛を刈ったところ、自分のしっぽを異常に怖がるように。
大暴れしてタンスの隙間へ逃げ込み、入ったきり食事とトイレ以外は出てこないのです。3
週間もすると内股には楕円形の脱毛が。獣医さんは「何かとてもショックなことがあったのでは」と。
しっぽが見えないようにエリザベスカラーを取り付けたら少し出歩くようになりましたが、見えたとたんまた同じ状態。
慣れるかと様子を見ているのですが、しっぽの毛を刈り続けて大丈夫でしょうか。

A.

私たち人間がそれぞれプライドを持っているように、猫や人も十分にプライドを持っています。
確かに人間の言葉は理解できませんが、自分を馬鹿にしていること、笑っていること、 怒っていることには敏感に反応します。

プライドを傷つけられれば内気な猫は特に、二度とそうならないように傷つけた人やものを避けるようになります。

皮膚病になって毛を刈り、周りの人間がその容姿を見て笑ったりからかったり、ひどく同情したりかわいそうがると、デリケートな猫はかなり落ち込みます。
その度合いが激しいと、極端に人間を避けるようになったり、時には攻撃的になったりします。

今回のゆき君がしっぽを怖がっているように見えたのは、このような行動からだと思われます。
おそらく彼にもこのような落ち込みの経験があり、自分のプライドを傷つけた原因がしっぽにあるあることをよく知っているにでは。
そのため、落ち込みの記憶を呼び起こしてしまう自分のしっぽを見るのが怖いのでしょう。

また、内股の円形脱毛は獣医師の言うように、ストレスが原因の脱毛であると考えられます。

まず大切なのは猫にもプライドがあることを理解し、それを傷つけるような言動に注意することです。
すでに落ち込んでしまった猫には特別に同情したり気をつかったりせず、以前のように接してください。

人間の気遣いが猫に伝わると、逆に回復を妨げてしまいます。

以前から内気の程度が強く、プライドが傷つけられることでさらに人間を避けるようになってしまった猫の場合には、特に治療が必要な場合もあります。
この治療を行う場合には、落ち込みはじめてからの時間が短いほど良い結果 がでています。

ゆき君の場合、スタッドテイルの治療中なので毛を刈ることは必要ですが、できるだけ刈る範囲を少なくして内用薬による治療に比重を置いた治療を考えても良いでしょう。

精神的なケアは、時間が経つほど困難になってきます。
このような状態になったり、なったことがあるなら迷わずに獣医師に相談してください。
精神的なケアに配慮した治療法を選択してくれるでしょう。


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