第14回
Q. 『のび太』(7歳のオス・去勢済み)のことです。
去年、母が倒れて入院し、家中が忙しくなった頃から、自分の舌が届く範囲の体毛(ももの内側、おなか、手の一部など)をすへてなめ取ってしまうようになりました。
神経質で臆病なコなのですが、どうしたら止めさせられるでしょうか。

A.

猫も人間と同じょうに繊細な神経を持っていることは、飼い主のほとんどが気づいているでしょう。

猫は精神的ダメージを受けると、いろいろな形の問題反応を、示します。脱毛したり、涙を流したり、かゆがったり、じんましんが出たり、手足が赤むけるまでなめたり、しっぽや後ろ足を噛んだりします。

私たち人間が不快、不安、心配などのストレスとして感じているものは、猫では脅威や危険から身を守る防御反応として現れます。
これらの刺激が加わると、アドレナリンのような化学物質が分泌されます。

これらの化学物質は危険が回避されると速やかに消失しますが、ストレス刺激が続くと化学物質が存在したままなので、防御反応に悩まされ続けます。
これらの防御反応は緊急事態の反応なので、長く続くと体に無理な負担がかかります。
そこで、この無理を軽くするために生理的な代償反応として問題反応が出てくるのです。 これらの反応は、次のような時に起こるといわれています。

@大好きな人や猫などから引き離された場合。

A家族や動物が増えて、飼い主の自分に対する関心の度合いがぐっと減ってしまった場合。

B家族構成は同じでも生活パターンが大きく変わった場合。

C引っ越し、リフォームなどで環境が大きく変化した場台。

のび太くんのケースは、精神的ダメージを受けた繊細な猫によく見られる問題反応です。
このケースでは、抗ヒスタミン薬やホルモン剤などを使うことで、問題反応が軽くなる可能性は十分あります。

しかし、ストレスを発散させるための代償反応がこれらの問題反応を引き起こしているので、根本的治療として猫がリラックスできるようにしていくことが必要です。

一般的な治療法は、軽い鎮静剤や抗不安剤を使って“もう不安や心配は取り除かれた”“安心して過ごせる環境が戻った”ということを認識させるトレーニングです。
これらのトレーニングにマッサージ療法やアロマテラピー、鍼灸を取り入れて治療をしている動物病院もあります。

このような感情的な問題のケアは、猫の性格や環境によって違ってきます。
動物病院で相談して、カウンセリングも含めた治療をしてあげてください。


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