第38回
Q.

我が家は田舎にあって周囲に幹線道路もないので猫(メス・4歳)は外出自由にさせています。 たまに他の猫とケンカして帰ってくることはありますが、のびのび暮らしている様子を微笑ましく思っています。
ただ、ひとつだけ困るのが頻繁に狩りをすること。ネズミやスズメ、時にはモグラまで捕まえて、血まみれの動物を私の足元や布団の上にまで持ってくるのです。 お客さんを居間に案内したら食べ残したネズミの頭がソファに乗っていたことも…。
寄生虫なども心配です狩りをやめさせる良い方法は?


A.

ほとんどの子猫は、狩りをまねた遊びをします。
人と暮らすようになるまでは、そうやって食べ物を得ていたのですから、狩りはとても大切な能力です。

家で飼われている子猫は、兄弟猫や親猫や他の同居動物、時には飼い主を獲物にみたて、忍び寄り襲って遊びます。
自由猫として生まれた子猫は、母親の狩りの様子を見てやり方を覚え、失敗を繰り返しながら自分の狩りのスタイルを完成させていきます。
しかし、すべての猫が腕のいいハンターになれるわけではありません。
狩りの才能に恵まれているかどうかが大きく閑係しています。

猫がネズミや小鳥やカエルなどの獲物を、飼い主に見せにくることがあります。
血まみれの獲物や、その一部分を持ってこられて、私たち飼い主はゾッとします。なぜ飼い主の元に持ってくるのでしょう?
わぎわざお土産を持ってきてくれた、と考える人が多いのではないでしょうか。
でも、この行動は贈り物でもなく、食事や世話に対する感謝の態度を示すものでもありません。
これは、母猫が巣にいる子猫に食事としての獲物を持ち帰る習性からだと考えられています。
また、母猫は子猫に獲物のとどめを刺す方法を教えるため、生きたままの獲物を持ち帰ることがありますから、そのうち生きたネズミが持ち込まれるようになるかもしれません。

狩りの本能が目覚め、優秀なハンターになってしまった場合、その本能は一生続く可能性があります。
猫は、チャンスがある限り狩りを続けるでしょう。
狩りは外出したときの本能的活動の一部で、自宅で十分な食事を与えられているかどうかは関係ありません。
狩りで捕らえた獲物は喜んで食べているのに、自宅で出される食事には選り好みをする猫もいます。

猫の好ましくない捕食活動を完全に防ぐ方法は、狩りをさせない、つまり外出させないことです。
外出は、事故やケガ、感染のリスクを伴いますから、完全室内飼育はメリットのある飼い方です。
また、飼い主に食事をもらい安全に暮らしている猫が、本能を満たすためだけに野生の動物たちを狩るという行動には、生態学的にも倫理的にも誰の賛同も得られないでしょう。

外出は自由にさせながら狩りを防ぎたいのなら、効果的なのは狩りを失敗させることです。

一番簡単な方法は、首輪に鈴やベルを取り付けることです。
その音が、狩りの対象となる動物に猫が近づいていることを知らせ、警告の役目を果 たします。
全く気づいていない獲物に警告を発することで、逃げるチャンスを与え、狩りを失敗させるのです。
鈴やベルは1つではなく、複数付けるようにしましょう。
1つだけだと、優秀なハンターは鈴を鳴らさずに獲物に近づく方法もほどなく学習してしまいます。
狩りが失敗すれば獲物は持ち帰れないし、失敗が続けば、猫の狩りに対する情熱も冷めていくことが期待できます。

狩りが成功しても家の中に獲物を持ち込ませない方法としては、猫専用の出入り口を外への一方通 行にすることがいいかもしれません。
飼い主がいないと入れないようにすれば、獲物の持ち込みだけは防げます。


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