第46回
Q.

ウチには3歳のオス猫がいます。去勢手術は済ませています。
高崎先生が書かれているように、本当なら室内で飼いたいのですが、家族の中に猫アレルギーの人間がいるため、やむなく外で飼っています。しかし、ウチの前の細い路地をもうスピードで車が走り抜けるたび、轢かれてしまうのではないかと気が気でありません。
外で飼っていても安全に暮らせる方法や、逆に猫アレルギーの人間がいても室内で飼育できる方法があれば、教えてください。


A.

人のアレルギー治療の観点から言えば、アレルゲンから遠ざけるのは基本的な処置ですから、主治医が猫を家から出すように指示するのは、仕方がない事だと思います。
でも、そのように指示されたからといって、猫を手放すわけにはいきませんよね。
屋外生活猫へしていくのは苦渋の選択だったと思います。

外での生活には、心配しているように、交通事故、猫同士のケンカ、ケンカに伴う感染症、ウイルス感染、ノミの寄生など、いろいろなことが考えられます。
今回のケースでは、1日のほとんどを外で生活しているので、その中で安全性を高めるのは難しいと思います。
安全を求めるなら、室内飼育にしていくしか方法はないでしょう。

外で起こるトラブルの中で、最も恐ろしいのは交通事故でしょう。
「東京都において交通事故死により路上で収容される猫は、約2万4千匹に及ぶ」(平成9年)という報告があります。
外出する猫にとって、交通事故は深刻な間題であることがわかります。
なぜ、猫はこれほど多く交通事故に遭うのでしょうか?

自由に外出するということが1番の理由ですが、猫の特徴の中にもその理由が存在するのです。

(1)猫はもと来た道をひきかえすということはしません。
いったん進みかけると一直線に真っ直ぐに進んでしまうのです。
また、車の大きな音や振動に驚き、立ちすくんでしまうのです。

(2)猫族は、狩りの習性として、物陰に身をひそめチャンスと見ると一気に飛び出すことをします。
それで出会い頭に轢かれてしまうのです。

(3)猫は夜行性なので、夜の活動に向いた眼の特徴を備えています。
猫の瞳は人間よりも光を取り込む量が多く、光彩を昼は線のように細く、夜は広くして、光の量 を調整しています。
夜モードの光彩に、昼間並みのヘッドライトの光量が飛び込んでくれば、目がくらんで動けない状態になってしまいます。

猫アレルギーであっても、工夫をしながら、猫と一緒に生活をしている人は多くいます。
その工夫のいくつかを紹介します。
猫アレルギーの人が猫と一緒に生活するヒントとして、参考にしてください。

(1)アレルギーの検査をする。猫アレルゲンに対して、どの程度の過敏性があるのかを知ることは大切です。

(2)猫の主要アレルゲンは「Feldl」で、毛、皮膚、ふけ、唾液などに含まれています。
この主要アレルゲンは、男性ホルモンテストステロンによって産生されるので、メス猫の方がアレルゲンが少なく、オス猫でも去勢をすると少なくなります。

(3)家中のケア:
a・猫以外のアレルゲンを減らすことが、猫アレルギーの軽減にもつながります。
こまめに掃除をして、猫アレルゲンとともにダニなどのアレルゲンを取り除きましょう。

b・猫アレルゲンの多くが皮毛に存在します。週に1度以上のシャンプーが効果 的です。

工夫をしていくと「他の猫ではアレルギー症状が出てしまうけど、自分の猫なら大丈夫」、という状態にまで持って行けるケースも少なくないようです。
同じアレルゲンと少しずつ触れ続けることで、減感作治療のようなことが起こっているのかもしれません。


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