第68回
Q.

これまでヒマラヤン(メス・5歳)1匹だけを育ててきたのですが、私が留守がちなので、寂しかろうとアビシニアン(オス・8カ月)を新たに迎えました。ところが、2匹はとても仲が悪く、どちらかが殺されてしまうのでは、と思うほど。

性格はヒマラヤンの方がおっとり。 アビシニアンの方が活発で、ともに避妊・去勢済み。今は、私が留守の時は別 々の部屋に入れています。

もしかして、長毛種と短毛種は相性が悪いのでしょうか?どうしたら仲良くなれるのでしょう?


A.

 動物を一緒に飼うにあたって、相性というのは大切です。相性の善し悪しを決めるポイントはいろいろ考えられます。動物種の違い、性別 の違い、年齢の違い、性格の違い、テリトリーをめぐる争い、飼い主の愛情(関心)をめぐる争いなど、いくつも浮かんできます。さらに、1つの要素だけではなく、複合しているケースも多いでしょう。

“同居猫同士の仲がうまくいかない”という相談はよく受けますが、その当事者が短毛種と長毛種であった経験はあまりありません。短毛種と長毛種の同居は、あまり見られないような気がします。
その理由は、
(1)短毛種の絶対数が多いこと。飼い猫の多くが日本猫や雑種であるため。
(2)長毛種が好きな飼い主は、複数飼育でも全て長毛種であることが多いため、
です。

 相談のケースを、短毛種と長毛種の違いが諍いの主な原因、と言い切ることはできません。他の要因もきっと関係していることでしょう。ですが、今回はそこに焦点を絞って、可能性を考えてみたいと思います。

<種別による性格の違い>

 短毛種の猫は、活発に動きよく遊びます。特にアビシニアンや日本猫のようなアジア系の猫は、筋肉質で疲れを知らないかのように動き回ります。好奇心が旺盛なのでいたずらも多くなってしまいます。また、長毛種 と比べて社交的でなつっこいので、甘えたいときやかまって欲しいときの感情表現がストレートです。人以外の動物にも、積極的に関わっていこうとする傾向もあります。

 同じ長毛種でも、ソマリのように短毛種が長毛になったタイプは、もともとの短毛種の性格を受け継いでいます。そのため外見は長毛種でも、性格は短毛種と言えます。

 長毛種の猫は、気質が温和で、態度もおっとりしています。特に、ペルシャ系の丸顔で鼻の低い猫は、従順で穏やかな性格をしています。そのような性格からか、本人も静かな生活を好むようで、騒がしい環境を嫌う傾向があります。その一方で、テリトリーを守ろうとする意識が強く、自分のライフスタイルを変えようとしない頑固な面 も持っています。

<争う機会を減らそう>

 短毛種の猫は遊び好きで好奇心が強いので、同居猫がいると、まず、無視はできません。静かな生活を好む長毛種に、遊び好きの短毛種が何度もちょっかいを出せば、長毛種の手痛い反撃に遭うでしょう。それが何度もくり返されれば、容易に修復できない関係になってしまうことは十分に考えられます。

 すでに関係が悪化してしまっている場合は、仲良くさせようとするのではなく、争いのない関係にすることを目的とします。それぞれに個別 の空間を与え、顔を合わせる機会を減らしましょう。争う機会を減らせれば、緊張度も緩和されます。その後の対応はケースバイケースになるでしょう。

 ひとつ面白い話があります。同じように長毛種と短毛種で諍いのあった家で、長毛種の毛を刈って短毛種のようなスタイルにしたら、短毛種からのちょっかいが極端に減り、争いの回避に繋がったそうです。その後、 毛が伸びたらまた争うようになったそうですが。この方法も試してみると、うまくいくかもしれません。


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