第83回
Q.

うちには1歳5カ月のメス『すもも』、1歳2カ月の姉妹『ライム』『ノ工ル』がいます。

すももは“女王様”という感じで、ライムとノエルが遊んでいても遠くから見ているだけ。でも本当は、すもももまだ遊びたいようで、2匹がいない時だけは激しく遊びます。

そこにライムとノ工ルが来ると、「私は遊んでなんかいないわよ」と違う部屋にいってしまいます。でもいつか、3匹で遊ぶようになるでしょうか?


A.

 すももちゃんの態度の理由は、3つ考えられます。

(1)社会化できていない

 2匹と遊びたいけれど、どのようにアプローチしたら良いのか分からない。

 このコーナーでも何回か書きましたが、子猫の時に「社会化」が十分に発達させられなかった場合、他の猫や人と上手にコミュニケーションが取れないことがあります。社会化の最も大切な時期は、7週齢前後と言われています。

この時期に兄弟猫や母猫と過ごすことは、社会化の発達には不可欠と言ってもいいでしょう。子猫同士で遊んだり、ケンカしたり、母猫に連れられて他の大人猫と関わったりする中で、猫同士の付き合い方、争いの避け方、優位猫との接し方などを学習していきます。

 かなり幼いうちに母猫たちと離されたり、兄弟猫のいない状況で成長すると、この能力を十分に獲得できず、人見知りが激しかったり、人付き合いの悪い猫になることがあります。 すももちゃんは、コミュニケーション能力はちゃんと持っているようですが、「仲の良い2匹の間に混ぜてもらう」という高度なことはできないのかもしれません (ほとんどの猫が苦手ですが)。

1対2だというのも、すももちゃんにはなかなか大変な状況でしょう。

(2)遊びの優位を譲る

 2匹に、遊びの機会を譲っている。

 それぞれの間に、相手を尊重するような関係ができていると、互いに譲り合うことがあります。飼い主と下の2匹が遊んでいる時には邪魔しないで、2匹が遊んでいない時に相手をしてもらおうとしているのは、この譲り合いかもしれません。この場合、いじけているのではなく遠慮しているのです。

 この状況は「若い2匹の猫たちの方が優位にいる」と、言えるかもしれませんが、猫における優位とは絶対的なものではなく、優位の猫と劣位の猫が時間帯によって好みの場所を分け合ったり、状況によってお互いの優劣が入れ替わったりすることも見られます。例えば、「遊び」については2匹が優位、「食事」と「飼い主のひざの上」はすももが優位、と言うように。どちらの方が「それ」をどれだけ強く欲しているかで、優位が決まったりもするのです。

(3)親しくしたくない

 2匹はただの同居猫で、親しく接したい相手とは見ていない。 「たまたま同じ家を住まいとしているだけで、嫌いではないけれど、特に親しくもしたくない。上手に住み分けしていきましょう」というスタンスです。

3匹が遊ぶのは難しい

 どの理由であっても、3匹が仲良く遊ぶのはあまり期待できないかもしれません。「飼い主=すもも」「飼い主=2匹」 「ライム=ノエル」 の関係は濃いのですが、すももと2匹の関係は希薄だからです。若い猫が1匹であれば、すももちゃんとの関係も濃くなると思いますが、2匹というのが大きなポイントです。

 猫は、犬や人のように仲間と一緒に遊ぶのを好む動物と追って、他の猫と遊びたいという欲求は強くありません。社交性が発達していないので、遊びたい欲求よりも争いを避けることを優先しているのかもしれません。

 3匹が家に来た経緯や個々のヒストリーが分からないので、大まかな説明しかできません。細かなカウンセリングは、かかりつけの動物病院で受けてみてください。


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