|  「うちのコは、偏食家で…」と言う声を、飼い主さんからよく耳にします。
 せっかく出した食事を猫が喜んで食べてくれないと、そのように感じることが多いようです。
 
 猫それぞれに理由が
 
 偏食の理由は、いろいろと考えられます。
 
 (1)食事に対して栄養的不満を感じた場合
 実際に栄養的な問題がなくても、猫自身がそう感じれば、違う食事を要求するかもしれません。
 
 (2)同じものを続けて食べないようにしている
 栄養が偏るのを避けるために、その時に必要な栄養を含む食事を美味しく感じ、そうでない食事を避けるようにできているという説もあります。
 
 (3)幼少期に食べた食事(食材)しか、食べ物と認識できない
 ある食事、または食材だけしか受け付けない猫もいます。
 
 子猫の時に、限定されたものしか食べたことがないため、食事として認識できる食材の種類が少なく、出されたものを食べられるものとして認識できていないのです。
 
 (4)最初の一口は味見で、後でちやんと食ペようと思っていた
 食事を用意しても、一口食べただけで、どこかに行ってしまうことがあります。
 
 もう食べないのかと思っていると、しばらくすると戻ってきてしっかり食べているのです。
 
 最初の一口は食糧確保を確認した作業で、本格的な食事は後で本当にお腹がすいた時に、という理由で食事を残す猫もいます。
 
 (5)食事を残すと、もっと実昧しいものが手に入ることを知っている
 1度美味しい味を知ってしまつたら、またそれを食べたくなるのは自然なことです。
 
 それを手に入れる方法が「食事を残すこと」であると学習してしまったら、その方法を手放すことはまずありません。
 
 高齢猫の偏食には注意
 
 人と同様に猫の場合も、バランスの悪い食事は体によくありません。
 
 健康状態がよければ、当面は影響が出ないかもしれませんが、健康を損なうリスクが高くなることは疑いありません。
 
 特に高齢になるほど、食事の内容は体調に影響します。
 
 加齢に伴う疾患に対しては、食事療法が治療の大きな柱ですが、自分の思いのままに食事をしているコにはこの方法はまず使えません。
 
 健康阻害のリスク回避、高齢期の健康維持のために、食事を見直すことはとても意義のあることです。
 
 食事の変化は緩やかに
 
 (1)、(2)、(4)の場合は、バランスのよい食事をいくつか選んで、その中から猫の食べてくれるものを見極めて与えていけば問題ないでしょう。
 
 (3)の場合は、まずいろいろなものを少しずつお皿に盛って、とりあえず出してみます。
 
 減ったものを記録して、好きなものの傾向や、好みの変動パターンがわかったら、好きなものにキャットフードや食べたことのないものを少しずつ混ぜてみましょう。
 
 (5)の場合は、食事を残しても、美味しいものは手に入らないことを再学習させなくてはなりません。飼い主にも強い意志が必要です。
 
 『ミイ』ちゃんの場合、主食がドライフードなら、副食的に与える魚の種類には、あまり神経質になる必要はないと思います。
 
 それよりも、量を与え過ぎないように注意してください。
 
 猫の食の傾向を、人が完全に管理することはできません。
 
 無理に管理しようとするとお互いに負担がかかります。
 
 改善させる場合も気長に、緩やかに変化をつけていってください。
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