高円寺アニマルクリニック
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猫の手帳質問集

第98回
遊ばなくなったのはやはり老化現象!?
Q.

 8歳の『プリン』(メス)が最近、高い所に登らなくなりました。ジャンプしたり、おもちゃにじゃれることも少なくなったようです。老化現象でしょうか?

最近の猫は長生きだと聞いているので、まだ老化は早いような気もします。猫はプリンだけで、完全室内飼い。プリンはいつも通り食べ、歩行はしっかりしています。


A.

 『プリン』 ちゃんのように、高い所に登らなくなったとか、運動することが少なくなった、遊びかけても反応が鈍い、遊ばない、という話はよく耳にします。

プリンちゃんは8歳で、人でいうと約50歳になります。50歳は、まだ老け込むには早いけれど、20代や30代の頃のように動くのはきつくなってきた、というような年齢ではないでしょうか。

同じ遊ぶのでも、50歳と20歳では、遊びの質や量が違ってくるのは自然なことです。

また、見た目は元気でも各臓器に疲れが見え始める年齢でもあります。

猫も定期検診によって身体的チェックを行うことが重要です。

遊びは運動の代わり

猫にとって遊ぶことは大切です。

特に室内飼いの猫にとっては、遊び=運動と言え、遊びの量の低下は、運動不足につながります。

適度な運動や刺激は肥満防止とともに、健康な精神状態を保つうえでも重要です。

1人暮らしで猫を飼う人が増え、家族がいても日中は仕事や学校で、猫は1匹でお留守番という状況が、一般的になってきています。

そして多くの場合が1匹飼いで、運動の機会も量も、刺激も少なくなります。

そうすると、どうしても “食べて寝るだけ” の生活になってしまいます。食事管理によってエネルギーの “収入” はしっかりコントロールできていても、活動量が少なければ “支出” も少なくなるため、エネルギーの “貯金” が増えます。

つまり結果として体重が増え、肥満に向かっていきます。

現代の猫は、普通に生活しているだけで太りやすい環境にいるのです。

適度な運動が、肥満を予防する1番良い方法であることは、ほとんどの人が理解しています。

しかし、理解していても、継続して実行することは難しいものです。

年齢により遊びを工夫

待ち伏せ型の狩りを行う猫は、犬の散歩のような持続的な運動は苦手です。

短時間で熱中できる運動(遊び) が適しています。

猫は元々、獲物を捕まえる名ハンターなので、物(特に動く物)にじゃれついて遊ぶことが大好きです。

猫の狩猟本能を刺激するような道具 (小動物のおもちゃや、猫じゃらしなど) を使うと喜んで遊ぶでしょう。

猫は、好き嫌いがはっきりしているうえ、飽きっぼい傾向があるので、飼い主が遊びの引き出しをたくさん持っておくと、猫の気分に合わせて、色々試すことができるでしょう。

猫が好む遊びの3大パターンは、

(1)飛びついて、くわえる

(2)高いところに登る

(3)箱や袋に入る

です。

材料を工夫し、オリジナルの遊びを考えてみましょう。

私の愛猫『悟空』 は、市販のおもちゃより、作りは簡単でも手作りのものでよく遊びます。

猫が遊ぶのは子猫のときだけではありません。

大人になって遊ばなくなるのは、遊び相手がいなくなるか、興味を引く遊びがないからなのです。

遊びはライフステージによって変化します。

その時期に合った遊び方を見つけてください。

そして、年をとって老齢期になり、次第に遊ばなくなってきたら運動量を減らし、今度はスキンシップの機会を増やしてあげましょう。

やさしく声をかけ、体をなでられるだけでも、十分に満足するはずです。


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